ハイハイ逆張りですか? パクリなんだから悪いに決まってんだろ。なあんて声が聞こえてきそうだが、パクリってオメーらが勝手に言ってるだけでしょうに。厳密に言うなら裁判で複製権や翻案権の侵害が成立しない限りはパクリではない、、がまぁとりあえず「他人の撮影した写真を、無断でトレースすること」と定義しよう。(イラストだとまた違ってくるので今回は写真に限定する)
彼らは言う。「他人の写真を無断でトレースしてはいけない。なぜなら著作権があるから。権利を侵害しているから悪である」筋が通って見える? 本当にそうか? じゃあ著作権侵害にならないなら問題ないということか? もちろん親告罪だから訴えられるまでは犯罪じゃないとかその程度の話ではなく、訴えられたとしてトレパクして著作権侵害になるのかって話だ。
トレパクは著作権侵害なのか?
写真は著作物でありこれを複製すれば複製権の侵害になるし、変更を加えれば翻案権および同一性保持権の侵害になる。うん、これは間違っていない。しかし複製ってのは「線が重なってるんだから複製だ」とはならない、なぜなら写真には写真の「それが著作物たる表現の本質」ってのがあるからだ。
作品に寄ってどこがその表現の本質かはケースバイケースなので確実なことは言えないが判例を調べてみると
- 被写体の配置、構図
- 陰影の付け方(ライティング)
- 色彩の配合
- 被写体と背景のコントラスト
- 表情
このあたりは写真の著作物での「表現の本質」として認められたり、逆にここが違うからと否定されたりするわけだが
- 人物のポージング
- それによる人体のライン
- 服にできるシワのライン
なんかは上がっておらずつまりここはパクっていい部分である。トレパクするのって主にこの部分なので、おそらくまず問題にはならないだろう(絶対とは言えないが)。
著作権はすべてを保護するわけではない
他人の作品からパクっていい部分があるなんて、そんなバカな話があるか? あるんだなあ、例えばキャラクターの設定なんかはアイデアなので著作物ではない。自分の作品に他人の作品のキャラを本人として登場させても何ら問題ないわけだな。ただしキャラクターデザインは美術の著作物なので、見た目はまったく別人にしなきゃならんが。
あるいは、ただの事実は著作物ではない。だからニュースを勝手にばら撒くのも合法だし、どんなに苦労してアンケートを集めたり実証実験をして作ったデータでも独占はできない。もちろん記事や論文には著作権があるので、そのまま転載はNGだが。
著作権は文化の発展のためにあるので、アイデアやらただの事実の記録など表現でない部分はむしろ独占させず共有することを推奨している。
結局のところ著作権違反だから悪ってのは言い掛かりに過ぎず、オメーらやってるのはリンチやぞ、っていう。